2021年4月から3年間の任期で、第6期会長を務めさせていただくことになりました遠藤伸子(女子栄養大学)でございます。これにより第5期最終年度から引き続きということになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、本協議会は2005年に設立され、今年度で16年目となります。当初66校であった会員校も現在では135校となり養成校の93%が加盟する団体となりました。
本協議会の目的は、養護教諭養成に関わる大学が、相互の提携と協力によって学術と教育の発展に寄与し、養護教諭養成の進展に関わる高等教育機関の使命達成に貢献することです。具体的には、養護教諭養成の教育課程や制度に関する研究や事業、養護教諭養成に従事する教員の資質向上を図る事業を行うこと、また、そのための情報交換や連絡協議を図ること、加えて養成に関する社会的活動や提言などを行うことです。
ご存知のように養護教諭の養成は、その職制の確立から発展の過程において、様々なバックグラウンドを持つ養成機関で行われてきました。そのため、本会が設立するまでは、養護教諭養成に関わる課題や取り組みについての議論を一堂に会して行う組織はなく、国立や私立大学をはじめとし、いくつかのグループに分かれて行われてきました。このことは、カリキュラムや法制度など国がかかわる決定への影響力という点で効果的でないという指摘がありました。しかし、本会が設立されてからは、養護教諭がかかわる法制度やカリキュラムが検討される際には、団体として意見を表明したり関係各所への要望書を提出したり、会員校のニーズを汲み取りながら会の運営がされてきたと考えます。
また、昨年度は、どのような学問体系を基盤とする養護教諭養成課程においても、養護教諭が卒業時に習得しておくべき力の明確化を図るため、本協議会独自の養護教諭養成モデル・コア・カリキュラム として「養大協版コアカリ2020」を作成しご報告をさせて戴きました。カリキュラム検討委員としてご尽力戴いた評議員の先生方をはじめ、ワークショップ等で貴重なご意見を戴きました全国の先生方に心より御礼申し上げます。まずはご活用戴き、皆様のご意見をもとにブラッシュアップを重ね、養護教諭の資質の担保につながれば幸いです。
最後になりますが、この度の新型コロナウイルス感染症のパンデミックでは世の中が大きく変わり、図らずも旧来の仕組みや方法を見直すきっかけとなりました。大学教育や本協議会の運営も同様です。
今後は、パンデミック後の新たな社会で、養護教諭養成大学協議会の使命をどう果たすべきか、その方法論も含めて模索していくつもりです。会員校の先生方からのご提案やご要望をお聞かせいただければと思います。何卒宜しくお願い申し上げます。